企業力・人材力 育てる力

      2017/02/01

ヒト・モノ・カネ

お店づくりに欠かせない3つの柱です。

お店づくりは大きな労力と時間がかかります。

「1号店が順調だから、そろそろ2号店に着手しようかな…?」

経営が順調なオーナーさんなら、多くの方がお考えになることでしょう。しかし、最初のお店が順調だからといって、2号店3号店も順調にいくとは限りません。

 

 

多店舗展開と人材力

多くの場合、最初のお店はオーナーが店舗コンセプト・自事業計画を綿密に立て、オーナーが運営に携わることが多いでしょう。苦労して作った自分のお店を、大切に育てるでしょう。オーナーご自身も、店舗に入って切り盛りされることも多いはずです。

しかし、オーナーの体は一つ。多店舗展開や、店舗拡大を考えるならば、適切な人材配置と、人材の戦力アップが欠かせなのですが、この人材力を軽視しているオーナーさんは意外と多いものです。

 

 

ヒトという問題

あるオーナーさんが、多店舗展開を見据え、下のような人員配置を考えたとします。

1号店で優秀なスタッフ、Aさんがいるとしましょう。サービスも丁寧で調理もこなせる、オーナーにとっては頼もしいスタッフです。

 

【これまで】1号店の責任者…オーナー

【これから】1号店の責任者…オーナーorAさん

      2号店の責任者…オーナーorAさん

 

店長候補を別で採用する、ということも考えられますが、中小規模のお店だと、費用(人件費予算)的に、難しいことが多いと思います。

 

こうした人材の配置にする場合、注意すべきことがいろいろあります。

先に「人材育成」を軽視して事業拡大をした時の、ありがちな失敗談をご紹介します。

 

 

優秀なスタッフほどやめてしまう環境に注意!

2号店が決まった時に、オーナーはAさんに店舗の責任者としてがんばってほしい旨を説明し、1号店か2号店か、Aさんが好きな方を任せることにしたとします。

結果下記のような人材配置になったとします。

 

1号店の責任者…オーナー「Aさんが抜けた分、お店に入ることになりそうだが、2号店のフォローもできるだろう」

2号店の責任者…Aさん「自分の力を試すために新しいお店でがんばってみたい」

 

両者の言い分は、このような感じ。

そして結果は以下の感じ。

 

1号店の責任者…オーナー「Aさんがこなしていた接客とキッチン業務が圧迫して、経営施策を考える時間が取れない!2号店にも顔を出せない!」

2号店の責任者…Aさん「オーナーに最低限の店長業務は教えてもらったけど、それをこなすだけで精一杯の毎日。アルバイトもやめていくし、どうして自分のように接客やキッチン業務ができないのか理解できない…。なんだか、お店のことを一人でしている気分だ。オーナーはフォローするといってたのに、全然顔を出さない…。」

 

断じて脚色はしていませんよ。

そして、Aさんは仕事と責任に押しつぶされて、やめてしまう…。1号店2号店ともにピンチ!になるのです…。

 

 

人材育成に終わりはない

諸事情はあるかと思いますが、人材不足に陥る企業の一番の特徴は、人材育成・教育に時間を割かない(割けない)ことです。

 

上の事例の問題点を、人材に限定して挙げてみます。

 

・1号店のスタッフ(Aさん以外)のレベルアップを図っていない

 ⇒Aさんの仕事を他のスタッフでできるようにしておかなければ、今の1号店のお店のレベルは保てないことになります。アルバイト仕事といっても、お客さまの満足度に直結する大切な仕事。根気よく教育しなければ、簡単にはスタッフは育たないものです。

 

・Aさんに対する店長研修が不足している

⇒Aさんはとてもよく働き、仕事の覚えも早いのかもしれませんが、店長としてお店の運営を任されるには経験不足なのも当然です。

2号店という、新しいスタッフの育成もAさんの仕事になるわけで、その大変さは、1号店を立ち上げたオーナーが一番理解できるはずなのですが…。

 

このケースだと、Aさんは慣れた職場=1号店で店長をするのがベストだったでしょう。奮闘するAさんをみて、間違いなく他のスタッフも力を発揮します。

 

 

これまで、1号店をオーナー・Aさん・その他アルバイトの力で運営したものを、人材の増員・既存スタッフのスキルアップなどを図らずに、2店舗目をスタートさせれば、ただただサービスレベルの低下を招くことになります。

そうすれば、1号店2号店ともにダメになることだってあるのです。

 

どんなに小さいお店でも、人材育成は永遠の課題です。

オーナーさんはできるかもしれませんが、スタッフが同じようにできるとは限らない。だから、できるまで教えなければ、お客さまにご迷惑がかかる。

「あの子は気が合うスタッフだ」などと、オーナーがスタッフを贔屓していては、本当に仕事ができるスタッフは育たない。

 

人材をどう見るかは、オーナーさんの姿勢次第です。

 

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